新しい環境に進むにあたって・・・ 


そろそろ、お子さんが、卒園、卒業、入園、入学などをお迎えになる方は、いろいろ考えてこられたことでしょう。

親の会でも、そういう話題が多いので、まあ、この時期「新しい環境に進むにあたって…」という内容でも、UPしようかなとおもいました。

いくつか、この時期取り組んだらいいなあと思うことが、ありますので、書いていきますね。


●自閉症の障害特性のおさらい

   【資料1…自閉症の障害特性】『レイルマン2』ほか。なんでもいいです。基礎知識のおさらいをしてみたらどうでしょう。

 やっぱり、基本的な「自閉症の特性」を理解していないと、基礎工事のない上にビ
ルを建てるようなものです。

 自閉症の障害特性が理解出来ると、お子さんの行動が何故、そうなるのかが、わかってきます。
 
 理解する時のポイントは、うちの子には、この部分はないなあ…と思って、本を読まないことです。

 本を読んでいて、この特性のどこが「うちの子に当てはまるだろう」って、思って読んで下さいね。

 最初に、「うちの子」にはないと、思いこんでしまっていて、前に進めないのね。
 親の会でよくみるパターンです。

 「うちの子は、こだわりがない方なんですが…」
 「うちの子は、聴覚優位なんですが…」
 「うちの子は、わりと融通が利くんです…」

 親御さんの「欲目」「希望」からくる、思いこみの場合が多いです。一度、そう思いこんだら、クローズUPされてしまい、肝心のことに目がいきません。

 おそらく、普段、お子さんが、親御さんに、何とか合わせようと、見よう見まねで、必死になられていることも多いですよ。

 苦手なのに、そのことがわかってもらえず、仕方がないから、親に合わせて暮らす…それが、後々、お子さんの「心」に「行動」にどんな影響を与えるかは、自分に置き換えてみれば、すぐにわかって頂けるでしょう。

 だから、今は???かもですが、必ず、「うちの子のどの部分がそうだろう」と思って、書籍なんかを読んで下さい。

●お子さんの暮らしを見る6つのポイントチェック

 せっかくの機会だし、普段の暮らしの中で、いくつか、観察してみましょうか。

 1,物事の流れが見てわかりやすくなっていますか?
 2,物事の場所が、わかりやすく、動きやすくなっていますか?
 3,物事に、本人の選択活動がはいっていますか?
 4,本人が言いたいことを伝えられていますか(発語にだけ頼っていませんか)?
 5,本人がしたいこと、好きなこと、できることですか?
 6,年齢、性別、刺激の感じ方、家族構成、住居環境に、フィットしていますか?

 これは、構造化やスケジュールといった専門用語を使わないで、人に説明するなら、こんな言い方がいいかなと思って書き出したものです。

 私は、自閉症の人への接し方は、単純に言えば、こんなことじゃないかなと思っています。見て頂いたら、普通の子育てと同じやないでしょうか?

 ただ、お子さんが自閉症ですから、その特性がある、それに合わせて、この項目を
当てはめていくだけじゃないかなと。
 
 たとえば、食事に困ることが起こるでしょう。

1,食事の流れが見えてる?
2,食事の場所が居心地良い?
3、本人が選んでる?
4,もっと、入らない、おかわり、残すなど、言いたいことが伝えられてる?
5,食事したいの?好きなものがある?たとえば、お箸、器、本人がわかって楽に食べられるものを使ってる?
5,お子さんは何歳?女男?何か刺激に弱い?お父さんはいつも一緒?おばあちゃんと食べるの?マンション?一戸建て?っていう個人的なものはどう?

 そんなことを、見直していったら、困ったことが少しずつ減っていくのではと思います。


●始めの一歩はいずこから 

 じゃ、新学期、こいつぁ春から…で、なにか、始めてみましょうか。

 1,スケジュールをはじめてみよう
 2,カレンダーもはじめてみよう
 3,お子さんのスペースをつくってみよう
 4,本人のことは、本人が選んでみよう
 5,たいていの言いたいことは、聞きいれてみよう(要求も拒否もできるだけ認める。こちらに注意を向けた時は、すぐ応える。見てわかるものを用意してみる)

 お子さんにわかりやすい時間や空間を示すことと、自分のこと(我・人・自閉症・子ども)そして、主張を受け入れてもらっていることがお子さんにわかることが「子どもと大人の信頼関係」を作っていきます。


 自閉症なんだもの。それがお子さんの暮らしにどう影響を与えているのかをまず知ることが大切。障害特性による「生活のしにくさ」「出来ないこと」があります。でも「素敵で得意なこと」「出来ること」もあります。

                    ↓

 「生活のしにくさ」や「出来ないこと」を理解して、お子さんの「素敵で得意なところ」や「出来ること」で生活を組み立てましょう。こちらから、お子さんに【先に】歩み寄ることで、居心地よくなります。すると、お子さんからも歩み寄ってくれます。だから、お互いにもっと居心地良くなります。


●新しい春への準備(前もってお子さんに伝えること) 

 進学先の先生と懇談などがあるときに、いつぐらいに、教えてもらえるかどうか、聞いておきましょう。進級の場合でも、同じです。

 1,いつから、園や学校がはじまるのかな?→カレンダーを使う
 2,先生はだれかな?→あらかじめ教えてもらい写真を用意する
 3,教室はどこかな?→見取り図で伝えるとか下見に行く
 4,自分の場所はどこかな?→本人の好きなマークを付ける、名前を書く
 5,自分の持ち物はなにかな?→本人に選んでもらう
 6,式やその他の行事は、どういうプログラムで行われるのかな?→わかりやすい
プログラム、スケジュールを作る


 入学式も、卒園式も、進学も、みんな本人のものである。本人がいかに居心地良く
過ごしてくれるかを考えましょう。

 あおりすぎないで。その日までの1日1日の方が、ずっと大事です。

 準備はするけど、後は、お子さんを信じて。そして、少々動いたり、目だっても、気にしないでね。そういうものだもの。

 入学式に必要なものは、子ども用の座布団と当日の式のスケジュール、終わった後のご褒美くらいでしょうか。

 会場では、待つとか立つとかの位置をわかりやすくするとか、点呼があるなら、名簿がいりますね(ひとりずつ、消していくといいですよ)。

 卒園・業式は、練習ができますが、入園・学式は、一発勝負ですから、卒園式で、少し式のイメージをつけてあげると、入学式が楽になります。だから、式次第(スケジュール)とか名簿とか立ち位置とかを、ぜひ、取り入れてください。

 ランドセルやその他、お子さんの持ち物は、少しずつ、出来ればご本人さんに選んでもらいましょうね。そうすると、所有格が付き、モチベーションも、自然にあがっていきます。

 当日の衣類は、普段と違うことがあります。急に半ズボンをはくとか、新しい制服になるとかです。そういう細かい情報は、先輩の親御さんから仕入れておきましょうね。

 式が長すぎて、しんどそうなら、待機場所を用意してあげてください。点呼が済んだら、お祝いの言葉の間は、退席して、退場のときにでてくるといったことでも、いいです。臨機応変にしましょう。

 その次の日から、ずっと通うわけで、お子さんにとってみれば、ただの1日なんですよね。入学式と翌日からの学校の値打ちは、同じなのね。
 親御さんと先生にとっては、スペシャル重要な日だったりするから、これ、ややこしいんですね。

 小学校への期待感は、小学校へ上がる日にちは先に伝えておいて、それまでの日々をしっかり「心おきなく」過ごしてもらう。幼稚園や保育所に、ちゃんとお別れするためにも、そうしてあげて欲しいですね。

 その「心おきなく、ちゃんとお別れ」ができると、自閉症のお子さんは、そのあたり、メチャ「デジタル」だから、健常のお子さんより、全然、心配することないと思います。
 

●地域の人や保護者、保母さん、先生に理解を求めるために

 最初から、意気込まないように。シンプルに進めるのがコツです。

 1,『光とともに…』や『自閉症の子どもたち』など、【簡単に読める】書籍を渡して読んでもらう。たくさん渡さない(過ぎ足るは及ばざるがごとし)→人の立場(気持ちや忙しさなど)をまず考えましょう。

 2,必要であれば、お子さんの特長を簡単なわかりやすいプリントにまとめる(人にわかりやすく伝える)→子どもを客観的に見る練習→サポートブックにトライ♪してもいいですよ。

 3,必要以上に、いろいろくわしく説明しない(案ずるより産むが易)→子どもは一緒にいる子ども達に理解されればそれでいいと考えましょう。

 4,楽しく工夫して暮らしている様子を見てもらう(百分は一見に如かず)→子どもへの実践あるのみです。

 5,困った時は、遠慮なく、助けてもらう。してくださった時は感謝する。(お互いさま)→日頃からの親御さん自身のおつきあいを大切にしましょうね。


 なんか、こんなところで、参考になればと思います。