構造化の意味と説明


入学する前、学校に行かせて頂き、息子が使う教室の構造化をしました。その場所と説明をしました。写真付きなんですが、ここには、文章だけ載せます。


初日から、大変快適に使っていました。また、先生方も、上手にスペースごとに使い分けてくださいました。


息子の居心地の良い学校生活を送る上で、基本中の基本にあるのが、この「構造化」です。


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<構造化の意味と説明>

 

 自閉症の人たちのもっとも基本的な援助が「構造化」と言われるものです。

 

 彼らが生活や学習の場の意味を理解し、自分になにが求められているのかをわかりやすくするための工夫です。「場所の構造化」と「時間の構造化(スケジュール)」の2つを、必要に応じて、ミックスした形で、その人の暮らしの環境を整えていきます。

 

「場所の構造化」

自閉症が重ければ重いほど、ついたて、棚、その他の家具を使って、仕切ったり囲ったり、区域分けを明確にして、それぞれの場所と活動が「一対一対応」になるようにします。

 1つの場所を多目的に用いないようにすることで、それぞれの場所や場面で、なにをすればよいかが視覚的に理解しやすくなります。

 

「時間の構造化」(スケジュール)

自閉症の人は、時間の見通しが立ちにくいです。だいたいこのあたりで終わるなあ、いつまでするんだろう…そういうことが理解しにくいと思ってください。そのため、その時、その場面ですることは、スケジュール(プログラムなども)を立てて、「なにをどのくらいして、いつ終わるのか」を、知らせるようにします。

 

この2つの支援は、視覚障害の人の眼鏡や点字、運動性障害の人の車いすや杖、聴覚障害の人の手話などに相当するものです。この支援をなくしては、その人の「権利」をも、奪うことになりますので、必ずお願い致します。

 

 それをした上で、先生方の教科や指導が加わって、自閉症の人への適切な教育環境になります。

 

 先日、教室を息子にわかりやすいように簡単な構造化をさせていただきました。

 

 以下に各場所の意味と、その使い方についての説明をしておきます。

 

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1.トランジッションエリア…本来なら、入ってきて、すぐ教室が見渡せないような形に、入り口近くにパネルを置いて、その裏側にした方が、本人にも楽かと思いますが、黒板が広いので、半分を仕切って、そこにしています。

 トランジッションとは、そこに行けば、自分の情報が全部手に入る場所のことです。


 

 1ヶ月のカレンダー(巻物カレンダーを使ってください。日にちの移り変わりは、マグネットを動かす、または、終わった日を斜線で消していく様なかたちなどがあります。(本人と相談してください)。

 

 1学期間のカレンダー(作ってください。行事予定などは、いったんはそこに書き込んでください。終業式(ゴール)が、いつかは、キーポイントになります。行事がいつあるかわかることで、見通しも立ち、日々のモチベーションも湧きます。

 

 当日のスケジュール(その日の時間割を書いてください。中休み、給食もお願いします。時間の表示は、午後2時なら「14時00分」という記入にしてください)。見通しを立てて、安心して過ごすためです。

 

 コルクボードは、本人に必要な情報をすべて貼ってください。置いておきたいパンフレット。視覚支援のカード。小さなメモ、ご褒美シール、しおりなどは、そこに設置しておくと、忘れることなく、また素早く提示もできます)

 

 他、また、増えることもあると思いますが、よろしくお願い致します。

 

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2.教壇と机…ここは、先生が、教科を教える場所です。

 教科に必要なものは、ご準備のほどよろしくお願い致します。


 対面で教えるよりも、側面から教える方が、左右、前後など、方向の概念が逆にならず、わかりやすいです。

 これは、手話などと同じです。

 

 最初に、その授業のスケジュールを立てます。

どの教科も統一することで、先生が変わってもわかりやすくなると思いますので、「授業のスケジュール」を使用してください。

 

 集中力は、10分が上限くらいかと思います。そのため、いくつかの項目を立てて、途中で休憩を取りながら、それが順番に終わる様な形で、授業の見通しを立ててください。

 

 例:1,本読み

   2,お休み

   3,プリント

   4、お休み

   5,日記

   6,おわり

 

 といった感じです。タイマーを使う(自分でセットしてもらう)または、「何時何分になったら、3のプリントです」といったことで、時間のコントロールができやすくなります。

 

 順番は、本人に決めてもらうと、モチベーションがあがります。するプリントなども、「2枚のウチどちらをする?」みたいな感じです。

 

 交渉や選択で、口頭では、難しいときは、「えらぶ・こたえるペーパー」を使ってください。気持を聞き出すときも、状態を説明するときも、筆談は、とてもわかりやすいです。

 

 あとは、また、お気づきのことがありましたら、「連絡ペーパー」(連絡帳の代わり)で伝えていただければ、わかる範囲でお答えいたします。

 

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3.自律課題のコーナー

ここは、先生が教える場所ではなく、用意された作業を、自立的にしていくところです。

 ワークシステムといいます。絶えず、先生や大人の密着した指示や指導がなくても、安心して1人で課題学習や作業に取り組めるようにする場所です。

 自閉症の人たちの将来の自立、就労という面で、非常に重要な場なので、意味を理解していただき、有効に活用してください。



 ワークシステムとは、

1,どんな活動(学習や作業)をするのか

2,どのくらいの時間(あるいは量)の活動(学習や作業)をするのか

3,その課題や活動はいつ終わるのか

4,終わったあとなにをするのか

 を知らせるシステムそのものです。

 

 やり方の一例としては、

・左から右への作業の流れを示す(左の棚にあるかごを取り→机で中身の作業をし→終わったら右の棚にしまう)

・中央の課題も、左から右へ、どういう手順ですればいいのかのモデルを示す

・視覚的にわかりやすくして、横から、指示を入れなくてもいい状態にする

・かごには、それぞれ、マークを付けておき、どの順番にすればいいのかは、前にあるスケジュールに提示しておく(●→▲→■→終わり「遊びのエリア」。息子の場合は、文字で書いてほとんどわかります)

・手順についても、文字で、お料理のレシピのように、書いてもらうことで、理解していきます。

 

 1人でできないところが、つまずいているところ。どうやったらわかりやすいか、量が多すぎないか、難度を下げられるかなど、本人に合った出来る作業に変えていきます。

 または、やる気がないなど、退屈もあります。そう言う場合は、もっと手応えのあるものに変えていきます。

 

 ここでは、組み立て、ジグソーパズル、ホチキス止めなど、作業になるようなものを、学校や遊びの中で、どんどん見つけていただきたいと思っています。教科の時でも、これなら、1人でというところは、自立課題でするのもいいかもしれません。

 

 家でも、出来そうなものを見つけましたら、どしどし持って参りますので、よろしくお願い致します。

 

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4.更衣のコーナー

着替えについては、同じ場所でします。体育の着替えや、汚したときなどで履き替える場合は、このスペースを使ってください。年齢的にも、人から見えないところという意識を持たせていただければと思います。


 着る服と脱ぐ服をいれるかごは別にすることで、わかりやすくなります。

 また、マークや手順など、必要であれば、つけていただければと思います。

 片づけなども、いちいち口で指導するよりも、図示したほうが、ずっと伝わりますし、本人にストレスがありません。 入り口のテープで示した□は、靴置き場です。

 

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5.カームダウンエリア

刺激による疲れ、興奮などを、自分で収める場所です。

 学校内で、唯一「神聖なる場所」とでもいうか、本人以外の人間が立ち入れないようなスペースが保障されることで、他の場面での安定につながっていきます。


 行事や交流参加の後や、混乱から来るパニック、また、1人で過ごしたい想いの時などは、ここのスペースに入ることで、自分で落ち着きを取り戻して、納得していきます。

 

 このスペースに入った時は、声かけなどは極力さけ、ほっておいてください。

 次の活動に促したい時などは、時間的なことを決めるとか、また、本人がいつ出るかを決めることによって、スムーズに移動します。

 

 他の生徒さんが、来られても、「ここには、立ち入らないこと」を原則としてください。

 

 どういう風にすれば、居心地よいかどうかは、本人が「巣作り」をしていくと想います(必要とあれば、毛布も置くかもしれません)。

 

 思春期に入り、性器いじりや体の不調も増えています。また、人から見られたくないという思いは、強くなっています。

 そのため、畳にして、高い衝立にしています。

 なるべく、監視を減らし、もちろん、立ち入らず、そこは「自由」に使えるように、中での様子には、あまり気を止めない様な形で、お願い致します。

 

 重力に弱い(筋力がない)ため、外で寝転がってしまう時があるかもしれません。その時は、ここなら、寝転がっていいと促していただくとよいです。

 

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6.本人のフリースペース

趣味のエリア…学習や課題や活動以外の遊びのエリアです。

 ここは、本人の好きなものができるように、これからものも増えていくことと想います。

 お絵かきテーブルや、鉄道模型作りの作業台などが、出来ていけばと思っています。 



 自閉症の人にとって、予後のために大切なのは、「余暇」と「役割」です。

 その「余暇」の部分をになう場所でもありますので、ここで落ち着いて、余暇活動ができることは、たいへん意味のあることと考えています。

 1人でできる余暇活動を、少しずつ、増やしていただければと思います。

 

 そして、作られた作品などは、文化祭などで、みなさんに見てもらうことで、本人のモチベーションにつながればと思っています。

 

 「役割」については、学校内でのアルバイト(小学校では、牛乳瓶アルバイトでしたが、中学校では、いかがでしょうか?)などが、出来ればと思っています。自立課題の時に、職員や生徒さんへの配布物のまとめなど、簡単な作業を入れていただき、それが、お金に替わるシステムになれば、就労、役割につながっていきます。

 

 簡単ですが、各スペースの説明をしました。 どうぞ、ご理解いただき、また、わからないことがありましたら、なんでも、ご相談していただければと思っています。